私の友人であるヒュム子さん
(リアル女性)はまったりのんびり、そんでもっていい人。
誰に対しても人当たりよく、でもしっかり自分の意思も持っている。
まぁ、多少の毒は私の友人なので
根本にもっておりますが(笑)、それをそうそう撒き散らす人でもなく、できた人でもあります。‥‥天然さんですが('-')b
そんな彼女ですから、彼女の人柄を好く人もたくさんいます。
さて、そんなヒュム子さんには、彼女のことを好意的に見てくれているエルメスさん
(リアル女性)がいました。
まったり一人旅をしたり、ちょっとおばかな企画をしたり、ぽてぽてと一人旅に出かけてしまうヒュム子さんによく付いて行き、仲良く遊ぶよき仲間でありました。
まぁ、ここまではよくある話ですし、この書き方で不自然なところはさしてありません。
ある日の事ヒュム子さんはエルメスさんから一つの提案を受けました。
「ヴァナ相方になりませんか?」
ヴァナ相方‥‥まぁ、気心の知れた、よくつるむ人の事を指す言葉ではありますが、
こうやって言葉でくくる限りは、変な話“特別な存在”の枠に入れることでありまして、
男の人なんかはよく、“ヴァナ恋人”なんていうとこっぱずかしいし、
何かに負けた気になるのか(笑)、“ヴァナ相方”という言葉を使ったりもします。
友達以上恋人未満‥‥もしくは、他の人とは別枠に入れたい存在の人──
さてさて、そう言われたヒュム子さん、ちょっと悩みます。
まぁ、よくよく考えなくても突っ込みどころは満載なのですが、ヒュム子さんがまず悩んだ事は、
わざわざ自分達の関係を特別枠として括る意味がわからなかった。
だってそんなことしなくても、大切で仲のいい友達だ。
その状態だけで
既に特別ではないのか?
ただ、自らはそれで満足していても、目に見えての証というか、
そういったものを彼女はは欲しいのかな?‥‥そんな事をヒュム子さんは考えた。
「私はわかってると思うけど女だよ?」
「知っています。私も女です^^」
「その相方ってのに応えたとしても、私は今まで通りだし、何にもしないよ?」
「もちろん今まで通りでいいですよ。
いままでだって特別だったんですから、別に変わりありません」
はぁ、特別ねぇ‥‥ 言葉に出されると恥ずかしいけれど、
確かによく遊んだりする仲間で、それはその通りなのだ。
「別にヴァナ相方って言うものになっても変わりはないですし、言葉の言い方というか」
まぁ確かにそりゃそうだと納得して、彼女は承諾するのである。
──ヴァナ相方を承諾してからの事、なにといって目立った事もなく。
確かにエルメスさんのスネがちょっと目に付く事もあったが、ヒュム子さんはさして問題にもしなかった。
もともと“相方”となる前からそういうところはあったし、
そこはもしかすると男性にしてみれば“かわいらしい面”ととらえられるかも知れない程度。
ヒュム子さんだって、怒る時はちゃんと怒り、以前とまったく変わりはなかった。
ヒュム子の中では。
「はぁ!?
ヴァナ婚する!?!」
ヴァナ婚を何度もぽしゃった私にしたら、寝耳に水の報告が来た。
しかもそーゆー事に一番興味のなさげだったヒュム子からの報告。
「うん」
「だだだだ誰と!?」
「エルメスちゃん」
「え‥‥エルメスちゃん?」
「うん、そう。私もあーしゅさんと同じでヴァナ婚イベント見たいなぁと思っていたし、
同性だと変な誤解とか迷いもないし」
「あんた、
私を反面教師にしやがったな(´_ゝ`)」
「はは。それにエルメスちゃんとはヴァナ相方になってるし」
それを初めて聞いた時、私の中に小さく浮かんでいた不安が、波紋のように広がった。
「エルメスちゃんと‥‥ヴァナ相方になってたの?」
「うん」
「彼女‥‥女の子だよね?」
「安心してー、レズでもなんでもないからw」
いや、問題はそこじゃないんだ‥‥
私が彼女に「女の子だよね?」と確認したのは、“女の子同士でそんなっっ!”と思ったからではない。
私は女子高で育ったので、むしろそれは“女の子の発想”としては自然だと受け入れられる。
ではなぜ性別を確認したか。私は「男性だ」と答えられた方が安心していただろう。
私は以前から少しエルメスちゃんに
“女の子の感情の脅威”を感じていたからだ。
「んー‥‥」
「あーしゅさん、どうかしました?」
「んー、いや‥‥すごい言い方するけど、君やから言う。
ええん?」
「えぇん?って、ヴァナ婚?」
「ヴァナ婚しかり、相方しかり。」
「ヴァナ婚は
あーしゅさんも知ってるようにめったなチャンスがあるわけじゃないし、
相方はちょっと前からしてますよ?」
「え? そうなん?」
「はい。」
うーんと私は悩む。彼女が上手くいっているならそれでいい。
が、ズレと言うか歪を感じた時、何かの迷いの役に立てばいいと私は口を開いた。
「私ね、時々エルメスちゃんに違和感を覚えるねん」
「違和感‥‥ですか?」
「彼女、礼儀とかもしっかりしてるし悪い子じゃないよ?
でも、ことヒュム子ちゃんに関わる事があれば、感情がむき出されるって言うか‥‥。
抑えてても溢れているっていうか‥‥。
私に対しては、“年上の人だしヒュム子さんとリアルでのお友達だから”みたいな
抑制が効いてるし、私自体彼女の前でヒュム子ちゃんとさして会わないから
そうでもないんだけど。以前、皆といっしょの時、他の子への態度として
『ん?』って思うことあったから、君が
言葉の上でも認識としても特別な存在となった今、
これが激しくならなきゃいいんだけど‥‥
考え的っていうか感覚的には、君と私は似てるから、この違和感が君は大丈夫なのかと」
「あー、ありますよ? でもちゃんと私に無理な事とか、
私の考えはちゃんと言ってますし、怒る時は怒りますし、注意する時は注意してます。
友達だから“相方”って言う事もヴァナ婚もokしたんだっていうのは繰り返し言ってますし」
「なら、いいけど。君が問題ないなら私も問題ないし。ただ尊敬するよ。
私だったら彼女の気持ちを受け止める自信ないから(笑) 責任持てない」
「そんな大層なものじゃないですってーww」
こうして、ヒュム子の結婚報告は終わり、そしてこれから、私の予感は現実味を帯び始めた。
拗ねが、酷くなってきたのだ。
遊びに誘っても、他の仲間がいると露骨にへそを曲げる。
もしくは他の仲間がヒュム子さんと仲良くするものなら、“なにすんのよ”オーラを発する。
そして、“かまってオーラ”を発し始めた。
もちろん、ヒュム子だって黙っていたわけじゃない。
注意するところは注意し、また、自分の考え方を理解してくれていないんじゃないかと話し合うが、
話し合うと同意する姿勢も見せてくれるし、ヒュム子の事を考えている意見も出してくれるので、
それ以上突っ込む事もなく、考える事もなく、関係はそのまま。
確実に、歪はあるというのに。
私の忠告を彼女が思い出しかけたある時、又エルメスちゃんが拗ねたらしい。
一度誘いをかけたのにこなかったので、ほっといて遊びに行ったら、
「どうして置いていくんですか?!」と言われたらしい。
友達で相方なら‥‥心配してくれるのが、もう一度でも声をかけてくれるのが優しさじゃないんですか?──それに近い事を言い始めた。
逆に私のような感覚だったり性格の人は、誘っても行きたくない人を無理に引っ張ってまで誘いたくない。
誘っている自体、声をかけている自体、この人といっしょに何かできればいいという信頼の現われであって、
それ以上を求めるのは、相手の考えや思いを潰しそう という考えがある。
彼女らの考えと思いの歪が露呈した瞬間だった。
露呈すれば最後、目を瞑ってきた疑問もどんどん溢れ始める。
どうして周りまで不快になる露骨な態度を、注意したのに聞いてくれなかったのか?
自分は以前と変わらずの態度で対応しているのに、“ヒュム子さんは冷たい的”な思いを抱かれるのか?
友達として変わりなく特別であり、ちゃんと考えているのに、それ以上にどうして求められているのか──
ヒュム子は私に相談する前に、エルメスに近しい人からも意見を求めた。
賢明である。ヒュム子にしてみれば、彼女と近しい感覚を持っている私に相談した瞬間、
なんという答えが返ってくるか既にわかっているのだ。
ヒュム子は、エルメスの姉妹にも相談する。と──
「あぁ、それはちょっと
ヒュム子さんが冷たいかもw」
ヒュム子にしてみれば意外な言葉が返ってきた。
「え? 私つめたいのかな?」
「うん、だって拗ねてるのわかってるんだったら、
もう一度やさしい言葉かけてあげたらいいじゃない」
────え?
モウ一度ヤサシイ言葉?
「だって行きたいのとか遊びたいとエルメスが思ってる気持ち、わかってるでしょ?
だったらもう一度優しく声かけてあげればいいよ。他の人にやきもち焼くのだって、
ヒュム子さんが
目に見えて自分に特別な態度とらないからだと思うしww」
目ニ見エテ特別ナ態度?
ヒュム子は困惑した。確かに恋人や家族であるならそれもありだろう。
しかし、友人の自分がそれをしなければいけない関係であるのか?
求められて提供しなければいけない存在なんだろうか?
エルメスには自分の気持ちや自分の考えを話した。
できる事・できない事、理解できる事・できない事も。
エルメスはそれを受け入れた姿勢をとっていた。
その上でお互い、歩み寄ったいい関係が出来ると思っていた。出来ていたと思っていた。
しかし実情は、受け入れた‥‥もしくはわかっているという態度を表面上とっていた──
いや、エルメスも解っているつもりでいて理解していなかった?
ヒュム子は、ヴァナ婚とヴァナ相方を白紙撤回にする事を決めた。
決めた上で、私の元に相談に来た。
いや、相談に来たというよりは、自分自身の意思の確認だった。
「だから、言ったのに。“よくするねぇ〜”って」
「まさかココまでとは‥‥」
「だから言ったじゃん。相手を思う感情の根本がうち等とは違うって」
「うん‥‥」
「私だと彼女の気持ちを受け止められる
責任を取れる自信なかったから、
それが出来るヒュム子ちゃんって器でかいなぁって思ってたのよ。」
「まさかああいう事とは‥‥何度も言ったんだよ? 私」
「“思う通貨”が違ったら、そりゃ通じないでしょう。
フランスで日本の円見せてるようなもんだ。それに私が感じて他のは、
多くを出さないって言ってる君に対して、多くを望んでいるのが見えたからねぇ。
“特別な存在”としてのヴァナ相方・ヴァナ婚相手っていう免罪符をもった瞬間、
彼女の箍が外れなきゃいいと思ったけど、やっぱりというか‥‥」
彼女はため息をつく。 私もため息をつく。
「エルメスちゃんの性別を聞いたでしょ?
へんな話しさぁ、男で恋とか恋愛の方がまだわかりやすいなぁと思ったんだ。色々と。
でも女性だった場合、
想いが飽和した時、彼女がよりどころとするのは
純粋に君を想うという行為と、それに対しての報いが返ってこない理不尽さだと思ったんよ。
そこは、
本来の君がいなくても成り立つ怖さがある。」
それは、決して悪意ではなく。糾弾すべきことでもなく。
簡単に言ってしまえば『違っただけ』なのだから。
言葉が・心が通じるなんて、酷くおこがましい考えだと思う。
確認しあい、調整しあって、時には傷つくけど、それでもいいと思える相手と私たちは向き合う。
ヒュム子は、彼女自身が責任の取れる範囲でとして、エルメスに撤回を告げた──
※後日談は気が向いたら&ヒュム子の承諾を得たら(これは承諾済み)書かせていただきます。
私はネットゲーはやらないのでそういった特殊な事例というモノは経験したことが無いのですが、ちょっと思った事を書かせて頂こうかと思います。
さだまさしさんの歌で「恋愛症候群〜その発症及び傾向と対策に関する一考察〜」というモノがありまして、その歌詞にこんなフレーズがあります
恋は必ず消えてゆくものと誰もが言うけれど、二通りの消え方があると思う。一つは心が枯れてゆく事、そしてもう一つは愛というものに形を変える事。
相手に求め続けてゆくものが恋、奪うのが恋。与え続けてゆくものが愛、変わらぬ愛。だからありったけの思いをあなたに投げ続けられたらそれだけでいい。
…我ながら似合わない引用ですな。(苦笑)
まぁ、こういう事かと思うのです。恋に恋する、なんてありますからね。
私も大昔の話ですが、中学の時にこの手の感情から傷つけてしまった女性がおりまして、後になって「彼女に謝りたい」と思い続けていた事があります。
彼女と数年前同窓会で会った事があるのですが、昔と変わらぬ笑顔で話しかけて来てくれた彼女を見て、逆に「コレはあやまってはならぬ」と思ったのです。
もう過去を乗り越えた彼女に対し、過去を引き摺る私が過去を蒸し返すことは失礼であり、彼女にとってそれは恥の重ね塗りになる…私の「謝りたい」という感情は彼女に言わせればきっと一種のエゴに過ぎず、だからこそ私はその後悔の感情を自らの胸の内に死ぬまで抱えていくのが本当の謝罪だろう、と思ったのですね。
いや…しかし何をこんな無関係な話をカミングアウトしてるんだ、私は。(苦笑)
でも、特別な話じゃなくって、独占欲って奴が強く出るかどうか、なんですよねー。
彼女が一緒にやらないとすねるからって理由でENMとかやらない人が居たりしますよ。
もにょもにょ。
私は相手が来なかったらほっといてやりたいことはリーダーしてでもやっちゃうタイプなので、相手はよくスネますが放置でs
新しいクラスで新しい友達ができたら、
前のクラスからの友達がスネて、新しい友達をいじめたりw
独占欲強い子っていますよね。
「あなたの事を思って」と繰り出される暴力のなんと多いことかw
そういった行動をどこまで許すか、どこまで受け入れるか、は二人の関係で決めていけば良いことだと思うのですが、それがすれ違うと、やっぱりしんどいですよね・・・
善意や相手への思いを発端とした行動の全てが善行につながる、ということこそ思い上がりなのではないか、と私なんかは思っているのですがね・・・。
頃合を見計らうのがムズカシー。
こちらこそご無沙汰でございます。同じ小宇宙を持つ人よ(違ッ
やっぱりこういうのを見てしまうと、別にネットがーリアルがーじゃないこと、
つくづく痛感してしまいますね。
貴重なカミングアウトありがとうございます(笑)
ただネット恋は特に
「ありったけの思いをあなたに投げ続けられたらそれだけでいい」
って言うものが、強いようにも思います。
──しかも自覚ナシでとか('-')b
いや、しかし、思いとどまったところに目に見える、
自分の成長と相手への想いがあるのですよ(・∀・)ニヤニヤ
>>そそそそそ、絶対に特別な話ではないんですよねー。
私もこれが悪いとなんて思わない。
けれど、ヒュム子さんが散々距離を説明していてこれでは、
ヒュム子さんが報われないというか‥‥
私は独占欲云々よりも、その人がその人であればいいと思う派なので放置ですかねー。
ただ、わざわざ嘘までいって取り繕われるのはキライ。
アボガドバナナかとおもう(笑
つか、相手がいるのですねー、いいのぅ(*´_ゝ`)
>>なんかそれが大人になったら、その独占欲は‥‥解るものなのかな?
なんて思ってたけど、その独占欲を拗ねるに少し抑えると、
男にしてみれば可愛いらしいですけど、あんまり拗ねすぎるのも‥‥
何事もほどほどですかねw
>>んだんだ。私なんて、汚れで悪役だからさぁ、
「善意や正義や正論が正しいなんてどこの夢見がちなボウヤ?^^^」のタイプなんで、
どんなに良いといわれることでも、お互いが解り合う譲歩しあう考えあうがないと、
やっぱりねぇ‥‥
提案してても真っ向から否定、もしくは聞いていないとかさw
愛は暴力! だけども、せっかくの愛は暴力にしたくないよねww